生活と経済

東京の某設計事務所。
一見、ミニマムで無駄のないカッコいい建物だ。
だけど、ラグジュアリーな、フォトジェニックな、その空間ではモデルが想定されているようなスタイリッシュでカッコよさ。家具までカッコいいものが置かれて写真がとられ、誰のための建築なのか。東京らしさとは。
きっとそこに生活する人はドラマで見たようなカッコいい憧れの生活が手に入れられたと初め大喜びだろう。しかし、建物、生活はそんなに甘いものでない。カッコいいイメージと実際の生活は相容れないのだと思う。本当はそこに人がいるのだ。メンテだって必要だし。

…経済という価値に惑わされる。

ミニマムの捉え方には色々ありそうだ。実在としての建築はそこに力強さの手法を得ることができるが、
シンプルさが別の対象を浮き立たせ、そこに現れ重層的かつ普遍的な価値がまた建築を楽しむ醍醐味だと思う。

宇野さんを対比的に捉えると、
手触り感
生活、素材、機能から施工性までの全体的な枠組みを、時に切り捨て、時に多様に捉えなおす。
場面ごとに実在する建築を根本に保ち、動詞としての建築に重点を置く。

そう。やはり造る行為が普遍的な建築であり、最も楽しい所。そのための粘り強い設計が大切だ。

ps
建築は自然とどう向き合うかが大切なこと。自然とは、木、花、天気、そこにある環境、そして人。
諸行無常な存在に拠り所を求めた時にそこにあるのが、実在する建築。生活の器。秩序を与える何か。

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