出雲・松江
4/22-24と隠岐の島での打合せのため、島根に行き、空いた時間で出雲、松江で観光してきた。 ・出雲大社 とても伸びやかな参道で、多くの存在を受け容れ導く神の在り方を想像し、春の陽光が神殿に近づき高まる緊張感を軽く導いてくれた。 穏やかな気持ちをそのままに背筋が伸びるような とても貴重な体験となった。 ・宝物館 設計:菊竹清訓 曲面を有するRCの壁面にトップライトを有する整形の屋根がかかり、シンプルで明快な構成。 菊竹氏の言う、素の「かた」と「かたち」。出雲大社と呼応する現代的な回答であろう。 建設当時は増築されたであろう周辺建物の存在がなかったことを考えると、もっと洗練された空間であったと思うのだが、エントランス周囲の一体感のない部分が目立ってしまう現状は残念だった。 出雲大社 庁の舎は解体され、すでに新庁舎の建設中であった。 著名建築家の創った建築として建築協会が解体の反対活動をしていたことは真新しい。 良い建物を保存していくこと、マクロな視点では、良いことであるが、実際、老朽化し、機能的に寿命をすぎた建物の保存に何の意味があるのか。 何のための建築か。 建築物が目的となってしまう保存の思考は、歪んだ建築好き、部外者の意見であるように思ってしまう。 ・古代出雲歴史博物館 設計:槇文彦 ランドスケープ:三谷徹 夕方頃に行ったため、人も少なく、とても大らかなランドスケープが出雲の山々と呼応し、とても美しい光景に心揺さぶられた。 ・松江城 石垣の迫力に、圧倒された。その高さは壮大で、水平に連なる構成は美しい。 天守は権威、力強さ、繁栄の象徴であると同時に、松江の町への眺望、古き時代を現代のから望む視点場として大切な遺産であろう。 帰りの飛行機の中、今回島根で見た美しい景色を思い出し、その余韻に浸る時間に酔っていた。